23 Aug 太陽が知っている La piscine ドロンとシュナイダーの再共演が話題になったサスペンス
洋画宣伝部の人が言ってました。外国映画に日本のタイトルを付けるのはとても難しいと。原題のまま訳しても日本人にはアピールしないし、一方ですぐ覚えてもらえるような簡潔でアピールするものではなくてはならない。宣伝部の好きな言葉は、まず愛ですね。外国映画のタイトルに、やたら愛が付いていた時代がありました。次に好きなのが太陽です。このフランス映画のタイトルは、La piscineで、スイミングプールなんですが、日本語のタイトルは、太陽が知っている、になるんですね。あとで説明しますが、この映画はまるっきり関係ないタイトルとは言えない背景があるんです。
別荘で避暑をエンジョイするカップル(アラン・ドロンとロミー・シュナイダー)、そこへかってシュナイダーの恋人だった男(モーリス・ロネ)が娘(ジェーン・バーキン)を連れて立ち寄るんですね。ま、嫉妬、反感、媚びなどが渦巻き、ドロンはロネを深夜プールで殺害、シュナイダーは事実を知っていながら沈黙を守ることにして共犯者に。どうってことないサスペンスですが、この映画の最大の興味はドロンとシュナイダーの再共演です。若い人にはチンプンカンプンだと思いますが、かって最も人気があった男優はアラン・ドロン。美男子のシンボルで、現在のブラピやディカプリオが束になってかかっても叶わないほどの、人気とイケメンぶりを誇っていました。そして、ドロンと恋人関係にあったのがロミー・シュナイダー。長すぎた春で、結局シュナイダーは捨てられるんですが、紆余曲折があり、シュナイダーもドイツの監督と結婚、子供にも恵まれ、全て恩讐の彼方にということで、再共演したのがこれなんです。一方、日本でドロンが最初に大ヒットを飛ばした映画は「太陽がいっぱい」。その映画でも、ドロンはロネを殺害するんですね。というわけで、タイトルもあながち的外れとは言えないんですよ。
映画はシュナイダーの魅力が全開。この映画からです。シュナイダーは成熟した美しい大人の女性として注目を浴び、以降フランス映画の大女優として君臨して、83年に悲劇の死を迎えるまで、数々の秀作を残しました。
それからバーキンはイギリスの女優で、小悪魔の美女として最先端にいましたが、今はなんだか変てこりんなおばあちゃんに変貌してしまいました。
70点
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